忘れることの出来ない珠玉の旅 『モロッコ』 ~エッサウィラ編~
マラケシュ最後の日。
朝食を7時に終え、8時前にマラケシュ旧市街を出てバスターミナルに向かった。
昨日手配を手伝ってくれたガイドが見つかり乗り場まで案内してくれた。
「砂漠の旅はしないのか?安く手配してあげるよ」と言われたが、今回の旅行では計画してないのでちょっと残念そうな雰囲気を出しながら「今日はマラケシュ最後の日で明日はフェズに向かうから行けないわ。。。」と言ってByeBye。
バスに乗ったらギョッとした。
ボロ過ぎる・・・。大丈夫だろうか・・・。しかも満席・・・。
友達が飲み物を買いに行っている間、他の乗客を見て
"何しにエッサウィラに行くんだろう・・・"と疑問に思った。
私の事前の知識だと、エッサウィラは2001年に世界遺産に指定された、青い空と白い町並みに囲まれた青のコントラストの綺麗なリゾート観光地ってこと。
そしてモロッコ人が一度は行ってみたいと憧れる町。でも、彼らを見る限りやたら荷物が多いし観光という雰囲気とはまた違う。うぅ~解決できず。
出発間際まで、お菓子や土産を持った人がバスの中まで入ってきて商売してるが、誰も買う様子がないのがちょっと残念。
それにしても、この国には「アイドリングストップ運動」はないのか。
とにかく排気ガスが凄い!キツイ!臭い!
原油高騰の配慮も全く感じないエンジン全開といったところ。
ガス吸引防止のマスクと寒さ対策の帽子をかぶっていざ出発!
と思ったら即効近くのガソリンスタンドに立ち寄って給油をしているじゃないか(笑)。日本ではありえないけど、何とも微笑ましい光景だった。
モロッコタイムってこうなんだ、と思いながら窓の向こうを眺めた。
しばらく走ると、複数あった道路も時間と共に1本の道に絞られていった。
広大な風景の中を伸びる長大な道。
荒涼とした風景が続いたと思ったらオリーブ畑が広がってきたり、まるでロードムービーを見ているよう。。。
1時間半くらいしたら中間地点の小さな町でバスが止まった。
"休憩だろうか?でも、これまで何回も変な場所で止まったりしてたし、変に降りて出発でもしたらもうお終いだ・・・でも、トイレ行きたいし、どうしよう・・・"
なんて思っていたらしばらくして後ろの席の人が「10minute(休憩)」って教えてくれた。

"よし!トイレ行こう!"って思ってバスを降りたものの、"トイレどこ?"さっぱり検討がつかない。
時間もないし、羊がたくさんいるし、靴磨きの少年が声を掛けてくるし・・・磨いて欲しいけど今無理だし・・・ちょっと焦りモード。
カフェらしいものがあったので、店の前で調理している女性にトイレがあるか聞くと店の奥のほうを指さした。
ラッキー♪と思ってトイレのドアを開けたら言葉を失った。。。
「このトイレきつい・・・(汗)」
キツ過ぎる・・・。周りで汚れているのは泥?それとも・・・
店の人は親切だし、これは日本人のエゴだと言い聞かせ用を済ませたが、私の後に入った友達は、ドアを開けた瞬間「無理!」の一言で終了。
後からこの画像を見て思ったけど、●●●をする人はどうやってするのだろうか。
あの穴を目指すのだろうか(笑&汗)
う~これまた未解決だが、あまり考えたくない。
こんな事があったけどバスは走る-----------
窓の外には遊牧民が走る風景に出くわしたり、畑があったり、この先に何があるのか想像のつかない風景が続いたけど、argan(アルガン)と書かれたボードを見たときはエッサウィラに近づいていると実感できた。
それはエッサウィラがアルガンオイルの産地として有名だからだ。
アルガンオイルとは、今、世界でも脚光を浴びているモロッコ南部でしか生息できないアルガンツリーの種から作られた植物性のオイルのこと。
昔から美容オイルや調味料として重宝されており、最近ではスローフード大賞も受賞した貴重なオイルなわけさ。
バスに揺られ3時間半後、明らかにこれまでと違う景色が目に入ってきた。
それは、青い空と白い町並みに囲まれた青のコントラストの綺麗なリゾート地エッサウィラだった。
ヨーロッパのセレブ達に人気の北アフリカ最高の知られざるリゾート。

町並みはキレイなのに、相変わらず排気ガスが強烈。そう、それがモロッコさ。
バスターミナルに着いてバスから降りたら後ろの席にいた"10minute(休憩)男性"が声を掛けてきた。
「旧市街(メディナ/世界遺産)」はもっと先だよ。そこまで行くからついておいで」
恒例の一言だ。
断りたかったけど今回はちょっと分かり辛く、気づくと一緒に歩いていた。
彼はエッサウィラ生まれでマラケシュで働いているらしく、歳も私たちと1歳差。

シーフードが食べたかったのでお勧めのレストランを聞くと
「とっても雰囲気のいいお店があるからそこに連れて行ってあげるよ」と言われ案内された店は、どう見てもモロッコ料理のレストラン(苦笑)。
『シーフードが食べたい』は聞こえていたかい?
メニュー見るまで何とも言えなかったけど、私がイメージしていた『エッサウィラの海岸沿いのオープンテラスで食べる豪快な魚介料理』は確実に叶わないにしても、海の町だから魚介料理はあるかも!とちょっとは期待してみた。
ものの・・・
相変わらずタジン!タジン!タジン!
注)どこに行ってもタジンだらけでちょっと飽きていたんです・・・。
でも肉ではなく魚のタジンを食べた。
※タジンとはモロッコ料理の代名詞で、肉と野菜にスパイスをまぶして三角形の蓋をかぶして蒸し煮にした料理。モロッコの伝統的な鍋料理。
案内してくれた彼は実家に洋服を取りに帰るらしく、迎えに来るからカフェに行こうと誘われた。
これまでしつこいモロッコ人は無視してきたけど、何故か二人とも彼を断る理由が見つからなかった。
潮風を感じる目的以外決めていなかったこと、彼が町を知り尽くしていること、そして何より雰囲気の良い男前(笑)。
つまり・・・1日ガイドには最適な人材だったのだ。
きっと彼はあのナチュラルさをウリに、よく外国人女性に声をかけているんだね、と噂話をしていたらちゃんと彼が迎えに来たので結局同行することにした。
どんなカフェに連れて行ってくれるかちょっと期待しながら後について行った。
そこはエッサウィラが一望できる眺めの良い静かな場所で、目の前でカモメが飛び交い、潮風が直に肌に感じ気持ちいい・・・
3人で仕事の話とか、日本の話をした後、音楽の話や歌ったりして盛り上がった。
広場には沢山カフェがあったけど、ここへは私たちだけでは絶対来れない場所だと改めて実感。
下に降りて散歩することにした。
ビーチ沿いを歩いていると子供たちが砂の上でサッカーをしていた。
久しぶりに海を見た気がしたほど、『海』だった。
恐ろしいほど日差しが強く、1時間もしないうちに顔が赤くなってきたので、オープンテラスのカフェで海を眺めながらちょっと休憩。(また休憩!)
まったりとした時間を過ごした後、世界遺産の旧市街の方へ戻った。
まぶしいほど降り注ぐ太陽、白い建物にブルーの窓と門。アフリカのイメージとはとても異なった印象だ。
旧市街の北西にある最もにぎやかな"ムーレイ・エル・ハッサン広場"を抜けて細い路地を道なりに進み急な斜面を上ると、この街のシンボルでもある砲台のある展望台に着いた。
大西洋に向かって18世紀の大砲が今も並ぶスカラ(見張り台)は、海の門の西側とメディナ北側の絶壁沿いに突き出した城塞で、海に向かって大砲を配置した砲床のこと。
ズラリと一列に並んだ大砲と岸壁に荒々しい海岸の風景は壮大で圧巻。
展望台では地元の人が海のほうをずーっと眺めている光景が美しくもあり、なんだか切なかった。
「展望台の中央にある円の中心に立つと、音が360度すべてから聞こえるよ」と教えてくれたので試してみたが、このことはガイドブックにも、事前に調べたネット等どこにも載っていなかったのですごく驚いた。
地元出身の彼だからこそ知っていることだったのでちょっと得した気分♪
夕方5時出発のバスの時間が着々と近づいてきている。
あっという間に時間だけが過ぎていく。
彼は夜の7時半のバスに乗ると言っているが、マラケシュのバスターミナルにそんな時刻設定はなかったが大丈夫か。
「エッサウィラは大西洋に沈む夕日がとても美しく、是非見て欲しいから君達も僕と同じバスで帰りなよ」と言われロマンチック(夕日)が見たくてチケットを変更しようとバスターミナルに向かった。
バス会社が違ったのだ。
この時、マラケシュのバスターミナルの光景をすぐ思い出した。
駅ではガイドなんて誰もいないのに、バスターミナルでは入り口に入った瞬間親切にチケットの手配を説明してくれる人が近寄ってきた。
最初は、ただチケットを買うだけなのに無償にも関わらず何でこんなに親切な仕事をしているのだろうって疑問だった。
だけど、ここで私の疑問は解決された。
マラケシュのバスターミナルは方面別にチケットが売られているのではなくバス会社別に窓口があったのだ。
国の豊かさの違いからか、バス会社はひとつだけ(国営もしくは市営)だと私は勝手に思い込んでいたのだ。
ということで、私たちは残念ながらこの便で帰ることになった。
彼とbyebyeしてバスに乗った。
それでも出発する頃は既に夕日が沈みかけており、そしてそれは海沿いでなくても美しい光景だとわかるほど素晴らしい眺めだった。
バスの中は照明が切られ、灯りと言えば夜空に輝く星の光だけ。
そのおかげでバスの中から、なんと流れ星が見えたのだ★★★
しかもかなり長い時間流れていた!
とっさに願い事をした。
必ずいいことが起きると信じた。
本当に美しい星空でこの感動は忘れることのできない思い出となった。
夜9時前にマラケシュに戻り、昨日食べた屋台の味が忘れられず、最後にもう一度食べたくてタクシーに乗ってフナ広場に向かった。
屋台に行ったら従業員の男の子が私たちのことを覚えてくれてて、すぐにテーブルに案内してくれた。
トマトのソースはやっぱり美味しくてホレ惚れ。
モロッコの人は本当に温かく、みんな楽しそうに話しかけてくる。
この日も何人かとしゃべったけど、屋台なので席の入れ替わりが激しく、最後に喋った二人組の若い男性はアラビア語を教えてくれた。
でも、爆笑したり周りのモロッコ人までもケラケラ笑っているから、変な言葉を言わせようとおちょくられているのだとすぐ分かった。それでも楽しかった。
モロッコ人の暖かさを実感したマラケシュ最後の夜だった。
Thank You Marrakesh、Good Bye Marrakesh

